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イノベーション
2018.06.01

新VR元年到来か、スタンドアロン型HMDが切り開く未来
2万円台のヘッドセット登場で簡単にVR動画が楽しめる時代に

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手軽な「個人用ホームシアター」として普及し始めたVR

以上の調査結果を踏まえた上で、冒頭で触れた2つのヘッドセットがなぜ注目されているのかを見ていこう。

まずはその価格。5月11日に国内で発売されたLenovoのMirage Soloが5万5296円。5月2日に発売されたFacebook傘下のOculus VRによるOculus Goは32GB版が2万3800円、64GB版が2万9800円(全て税込)だ。特に、割り切った性能で3万円以下に抑えたOculus Goが人気を集めている。

今回Oculus GoとMirage Soloの違いについての詳細な説明は省くが、簡単に言うとVR空間の中を歩き回るなど、全身を使ったVR体験ができるのがMirage Solo、頭の前後左右の傾きなど、限定的な動きに対応しているのがOculus Goだ。

微妙に違う2つのヘッドセットだが、共通する最大の魅力はスタンドアロン型であるということ。PCやゲーム機につなぐ必要がなく、スマートフォンを入れ込む必要もない。電源を入れて頭に被るだけですぐに使用開始できるという手軽さが売りのヘッドセットなのだ(Oculus Goは初めのセットアップにスマホアプリを使用する)。

だが、3万円以下とはいえVRゲームや360°動画が見れるというだけではまだ高い、と感じる人が多いだろう。ではどういった用途が一般層にも「買っても良いかな」と思わせているのかというと、動画鑑賞である。これらのヘッドセットを被って普段スマホやPC、テレビで視聴しているNetflixやAmazonプライムビデオ、YouTubeやニコニコ動画といった動画配信サービスを使ってみると、部屋にいながらにして映画館の巨大スクリーンを独り占めしているような体験ができてしまう。

3万円以下で「自分だけのホームシアター」が持てると聞けば、映画好きならずとも心惹かれるものがあるだろう。そしてこの用途は前出の調査結果で明らかになった、「若者がVRで体験したみたいこと」第1位とも合致する。

実際に筆者はOculus Goでいくつか動画を見てみたが、デフォルトのメディアプレイヤーで数分の動画を再生するだけでも、スマホやテレビで見るのとは全く違う没入感を体験することができた。個人的にはOculus Goで見る動画の画質イメージはDVDのそれに近い。最近のスマートフォンに比べると高画質とは言えないが、単純な画質の差では埋められない体験ができることは間違いない。

3万円以下で自分だけのホームシアターが持てるかも・・・。画像はイメージ

もちろん、いち早くOculus Goに公式対応したDMM.comのVR向けアプリ「DMM VR動画プレイヤー」などでVR動画を見たいというニーズもあるだろう。しかし、もしもVR動画やVRゲームを体験してみてピンと来なくとも、頭に被るだけで使えるホームシアターが手に入ると思えば、値段を見て「買ってみても良いかな」と感じる人は少なくないはずだ。

乱暴な言い方をすれば「潰しが効く」と思わせた点が、絶妙な価格やクチコミと相まってじわじわと購入者を増やす要因になっているのだろう。これにより、これまでVRに触れてこなかった層からの興味・関心も引き始めている。

「動画を見る」というのは、程度の差こそあれど多くの人にとって特別なことではない。言わば日常の一コマだに過ぎない。それに比べると、コントローラー片手にゲームをプレイする、という行為に非日常感を感じる人は多いだろう。

一般層にVR体験へのハードルを乗り越え、「(ヘッドセットを)被ってみよう」と思わせるには、言葉を尽くしても共有し辛い「非日常的な体験」よりも、イメージしやすく魅力的な「日常の延長」体験ができることをアピールしていく必要がありそうだ。そしてVR体験者が増えれば増えるほど、ユーザー側からVR技術の新しい活用アイデアも生まれてくるだろう。

巷ではOculus Goの登場を「かつての初代iPhoneをほうふつとされるとも言われているが、まさしくその通りだと思う。Facebookが目標に掲げた「VR人口10億人」への布石が打たれたと言って良いだろう。一家に一台VRヘッドセットが置かれる日は、思ったよりも近そうだ。

JBPRESS

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