自分はどんな人間なのか、どんな個性の持ち主なのか、どんな強みを持っているのか、ということを明快に答えるのは意外と難しいのではないでしょうか。

 コーチに冒頭の問いを投げられた後、試しに同僚何人かに声をかけて聞いてみましたが、答えに詰まる人が何人もいました。

 ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された「『建設的な不調和』で企業も社員も活性化する」という論文で、ハーバード・ビジネス・スクール教授のフランチェスカ・ジーノ氏は、多くの職場では社員は周囲と同調する方向に力が働くと言い、その力を「同調圧力」と呼んでいます。

「同調圧力」が働く背景には、私たちが、小さいころから周囲に同調することで受け入れられ、多数派の一人になれた安心感を得てきた特性が指摘されています。

 組織は、古くから人間のこの特性を利用して機能してきました。そしてさらに面白いのは、仕事で「自分らしさを発揮したい」という願望があったとしても、周囲に同調することを好む傾向から、自ら「自分らしさ」を封印してしまうというのです。

「自分はどんな人なのか?」を認識するために取り組んだこと

「あなたはどんな人なのですか?」というコーチの問いにさんざん考えを巡らせたものの、結局納得いく答えは出てきませんでした。

 そこで私はコーチと相談し、次のことに取り組むことにしました。

 自分と関わる10人に、私を表現するにふさわしい形容詞を6個ずつもらってくる、というものでした。

 過去から今まで、一緒に働いてきた上司や同僚、部下、お客様たちにお願いして、一人6個、全部で60の「私を表現する言葉」を集めました。