先日、ある企業のコンサルティングを行うために、オフィスの現場を見学させてもらいました。

 会議に上げる議題についてどのように詰めているのかを拝見していたら、「この企画書をこの完成度で会議に上げたらこういうお叱りを受けるから、今回の会議に上げるのは見送ろう。もうちょっとブラッシュアップしてから、2週間後の次の会議でいこう。役員の〇〇さんはここが弱いと機嫌を損ねるんだ」なんて話をしています。こうして、部署内の上司と部下で綿密にキャッチボールを重ねて、満を持して会議で議題に上げようというのです。

 はっきり言って、これでは遅すぎる。社内だけ見れば、今回の会議に上げようが2週間後の会議に上げようがそう変わらないかもしれませんが、2週間もあれば同業他社を含め、世の中の動向は大きく変わります。完璧を求めて2週間、社内で企画書を練り込んでいる間に、「なんとなくこの企画よさそうだね。よし、行こう!」と即決する同業他社に市場を奪われてしまうのです。

「役員の〇〇さん」にしても、そんなことは望んでいないでしょう。完璧な企画書をつくるために2週間待たされるより、7割くらいの完成度で会議に上げ、その会議で指摘された問題点を1時間後にアップデートしてもってきてくれるほうが嬉しいはずです。

 完璧を求めすぎると、遅きに失します。

 完璧を期するよりも、「7割ほどの完成度」の提案事項を、頻繁に上げていく。とにかくたくさんアタックして、PDCAの回転スピードを上げていく。これが結果的に、会議の質を高め、生産性を上げるための大きなポイントとなるのです。