ところが、在宅勤務で働く社員が増えたことで、データ入力のたびに領収書の原本を本社のクリアファイルに保管することが難しくなりました。そこで、Google Spreadsheetでの管理を卒業し、サイボウズ社のkintoneをベースにした「じぶんページ」というサービスに変更するという、2度目の業務ハックを行いました。

 社員は、データ入力とともに自分のスマホを使って領収書を写真に撮ります。これで経費の精算が済みます。領収書の原本はある程度まとまった段階で本社に郵送すればよくなったのです。また、税理士が管理画面から領収書画像をチェックできる仕組みを作ることで、データの突き合わせ作業の不便さが解消され、税理士から非常に感謝されました。

 このように、業務ハックは一度行えば完了、というものではなく、社員数や働き方の変化に合わせて継続的に実施することがポイントです。そのためには、現場で働く社員やパートナーの無理・無駄・不満を、早期に把握していくことが大事になります。

請求書を自分で発行すれば責任感とやりがいが増す

 請求書の発行も手間のかかる仕事です。特に私たちの場合は月額定額の顧問として、一人の社員が複数のお客様を受け持っており、しかも毎月請求書を発行しないといけないので、結構な作業量になります。

 毎月の請求書発行の処理も、社員の数が増えるにつれて指数的に大変さが増してきました。請求書の処理も経費精算と同様に創業当初は、副社長が中央集権で処理をしていましたが、すぐに限界が訪れることになりました。

 そこで、請求書の発行も業務ハックで見直しました。請求書の発行で気をつけないといけないのは額面のチェックです。その点以外は人力でやる必要のないことばかりなので、すべて自動化しました。

 そしてチェックする部分だけは、社員各自にやってもらうようにしたのです。毎月自動で通知が届くので、画面で確認してボタンを押すだけ。そこまで負担を減らしたために社員には抵抗なく受け入れてもらえました。