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テクノロジー
2018.05.21

顔認証システム「天網」にみる中国の深謀遠慮
IoT時代、<AI監視カメラの役割>が変わる

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「天網」が押し上げる中国のAIネットワークの技術水準

 ところで、顔認識システムのアルゴリズムには、「画像の特徴を幾何学的に比較する方法」と、「画像を統計的に数値化して数値をテンプレートと比較する方法」などがあるとされる。

 いずれの方法にしても、金融機関やスマートフォンの個人認証のキーとして普及している指紋認証など他の生体認証に比べれば、顔認証は発展途上のテクノロジーであり、信頼性や効率の点で必ずしも優れているとは言えないかもしれない。

 しかし、それでも中国が「天網」の導入を推進する理由のひとつに、このシステムの大規模導入によって得られる副次的な効果としての、AIネットワークの技術水準の飛躍的向上があることは明らかだろう。

 中国は「天網」のシステムの開発と導入、監視カメラの製造と設置を、国策として全て自前のリソースで行っていることに注目だ。

 2020年までに4億台の「天網」設置を目指す国家レベルのダイナミックな動きが、世界のディープラーニングサーバーの4分の3を保有し、なおかつディープラーニングに関する学術論文で中国が米国を超えて世界一になっているという事実に直結している。

 また、監視カメラの業界でも、世界シェアNO.1はもはや日本や欧米のグローバル企業ではなく、中国政府の後押しを受けた中国国内の企業、ハイクビジョン(杭州海康威視数字技術)なのだ。

監視カメラは「自動運転」を支えるキーインフラになる

「天網」の次なる活用方法として、中国政府の眼差しの先にあるのは何か。

 最近の報道から推察されることは、「天網」の監視カメラを「自動運転」を支えるキーインフラとして「モビリティクラウド」のシステムに戦略的に組み込んでいく、という考え方である。

 周知のように、自動運転は「自律型」と「インフラ協調型」の2タイプに分別される。

 中国が目指すのはもちろん後者であり、その意味ではフォードのCEOジム・ハケット氏が今年1月のCES 2018で大掛かりなプレゼンテーションを行った「TMC(Transportation Mobility Cloud)」のコンセプトに極めて近い、とも言える。

JBPRESS

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