(英エコノミスト誌 2018年5月12日号)

イラン、核合意で欧州側と外相会合 EU「数週間で具体的提案」

ベルギー・ブリュッセルの欧州連合(EU)本部で、イラン核合意をめぐる会合の開始前に写真撮影に臨む(左から)EUのフェデリカ・モゲリーニ外交安全保障政策上級代表(EU外相)、イランのモハンマドジャバド・ザリフ外相、フランスのジャンイブ・ルドリアン外相、ドイツのハイコ・マース外相、英国のボリス・ジョンソン外相(2018年5月15日撮影)。(c) AFP PHOTO / POOL / Olivier Matthys〔AFPBB News

トランプ大統領は、直感を土台とする願望に基づいて行動している。

 イラン核合意からの離脱により、米国のドナルド・トランプ大統領は再交渉か体制転換を期待している。最終的には戦争になる可能性の方が高い。

 トランプ氏は5月8日、イラン核合意との縁を切ったのではない。ぶち壊したのだ。

 包括的共同行動計画(JCPOA)という名称で知られるこの合意により、イランは経済制裁の解除と引き換えに核開発プログラムを長年にわたって縮小し、現場への直接的な査察を恒久的に受け入れることになっている。

 トランプ氏は「崩れかけているし腐っている」と形容する合意から離脱し、自らの選挙公約を果たした。しかし、制裁については予想外に厳しい姿勢を示した。

 単に復活させるだけでなく、どこに本社があるどんな企業であろうとイランとビジネスをすれば罰する、としているからだ。

 イランは核合意を順守していたと国連は述べており、批判的な勢力もそれについては認めていることから、米国は信用できないとか、米国が主張するグローバル・ルールは破られるために作られているといった敵対的な国々の主張を、トランプ氏は自ら補強したことになる。

 核合意に参加した他の国々(ロシア、中国、ドイツ、英国、フランス、欧州連合=EU)にとっての問題は、「次は何か」ということだ。

 そして世界全体、とりわけ中東諸国にとっての問題は、イランが核爆弾を手に入れる能力にとって今回の合意破棄はどんな意味を持つのか、ということだ。