観察を楽しむために必要なもの

「観察」するコツは「楽しむ」こと。動物生態学者になったつもりで、我が子の「生態」を観察し、「新しい行動が観察されました!」と、我が子の「特徴」を洗い出す作業を楽しんでしまう。すると、それまでは変にしか思えなかった行動にも、実に興味深い「理由」があることも見えてくる。

 子どもを「観察」することを「楽しむ」コツは、「余裕」を自分に確保すること。以下にも指摘したが、親自身が人間だということを忘れずに。人間なのだから、自分自身が休み、ときには自由な時間を持つことが、心の健康を保つのに必要だ。

【参考】「笑顔で育児ができる社会」にするには何が必要か
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52688

「余裕」を確保すること。その上で、子どもを「観察」することを「楽しむ」こと。子育てするには、自分自身にもそれなりの環境を整えてやる必要がある。子どもの「特徴」を短所ととらえずに特徴ととらえるには、自分自身にも、「私の『特徴』は」ととらえる心のゆとりが必要。

「働き方改革」を考える上で、こうした「余裕」をどう確保するかも重要だ。次世代の人材を各家庭で(場合によっては施設で)育ててもらうためには、育児の余裕を働く人々に提供できねばなるまい。

 そんな余裕はない、という悲鳴が上がっているのが、日本の現実だろう。しかしその余裕を失ってまで働けば、次世代が擦りきれてしまう。それでは何にもならないはずだ。以下の文章でも紹介したように、もしすでに余裕を失っているのだとしたら、何か効率を悪くしている可能性がある。効率を良くしたいなら、まずは「遊び」とも言える余裕をこじ開けることが必要だ。

【参考】失われた20年の本当の原因は「頑張りすぎた」から
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49984

 働き方改革は、ひいては次世代を育成することにもつながる。ぜひ諦めないで頂きたいと切に願う。