(英エコノミスト誌 2018年5月5日号)

イラン大統領、核合意離脱なら米国は「かつてないほど後悔する」

イランのサブゼバールで演説するハッサン・ロウハニ大統領(2018年5月6日撮影)。(c)AFP PHOTO / HO / IRANIAN PRESIDENCY〔AFPBB News

自己満足にひたる向こう見ずな政治指導者たちは、核兵器の抑制の貴重さを忘れてしまっている。

 楽観論と北朝鮮が一緒に語られることはめったにない。

 しかし、4月に実現した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対面の際のほほ笑みと印象深い光景は、北朝鮮が国際社会から、とりわけ米国から安全が保障されるのであれば、それと引き換えに核兵器を廃棄するという取引をほのめかすものだった。

 悲しいかな、本誌エコノミストは核のない北朝鮮を強く望むものの、長続きする取引の成就は白頭山の頂と同じくらい遠い。

 金一族は常習の詐欺師であり、核兵器はこの一族による権力掌握の要(かなめ)だ。そのうえ、楽観論者の関心は朝鮮半島に集まっているものの、その他の地域や国々では核兵器の抑制がことごとく綻びを見せつつある。

 米国のドナルド・トランプ大統領は、イランの核開発プログラムを抑制するために2015年に交わされた合意の命運を、5月12日までに決断しなければならない。

 4月末にはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が、この合意からの離脱をトランプ氏に促すことを意図していたように見えるプレゼンテーションを行っており、トランプ氏はこの要望に応えるかもしれない。

 さらに悪いことに、ロシアと米国が保有する核兵器の量を制限している現在の取り決めは、3年内に期限が切れることになっている。そのまま失効すれば、両国の核兵器はほぼ半世紀ぶりに何の制約も受けない状態に置かれてしまう。