(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年5月3日付)

米、ロシア有力実業家7人に制裁 プーチン氏の「義息」も

ロシア・サンクトペテルブルクでの国際経済会合に出席したロシア・アルミ大手UCルサールのオレグ・デリパスカ社長(2017年6月1日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Olga MALTSEVA〔AFPBB News

 米国の制裁を受け、英国に上場しているオレグ・デリパスカ氏の持ち株会社En+が窮地に追い込まれてから4週間経った今、英シティー(ロンドン金融街)でデリパスカ氏や同氏の企業と近しい関係にあったことを思い出す人を見つけるのは難しい。

 シティー関係者は内々に、デリパスカ氏と深い関係にあったライバルの名前を挙げたり、同氏にお墨付きを与え、自分たちが無邪気にも信用してしまった人たちを引き合いに出したりしている。

 米国による法的な攻撃を受け、取締役が続々と辞任し、銀行や法律顧問が手を引き、PR会社が言い訳に奔走した。利害の対立を目の当たりにし、10年続いたシティーとロシア金融とのロマンスは急激に冷めた。

 「プーチンは永遠にいるから、こうなった以上、経済的に割が合うと思えない」と、あるEn+顧問は話している。

 顕著な例外がグレッグ・バーカー氏で、それはそれで立派な態度だ。ロシアびいきのEn+会長は、少数株主のために会社のなにがしかを残すことを期待し、ほかの人が退散する傍らで会長職にとどまっている。

 こうした投資家が所有するEn+株は、昨年11月の上場時から急落している。上場目論見書で小ばかにしたように一蹴された「デリパスカ氏に不利なメディアの憶測」が現実のものになっていったからだ。

 最初にロシアマネーを是認しておきながら、その後、縁を切ったシティーの態度は、迎合的と言うよりは、ひどく臆病だ。

 ウラジーミル・プーチン大統領によるクリミア侵攻と海外の選挙への介入は、米国の激しい法的反撃を招き、大統領を取り巻くオリガルヒ(新興財閥)たちを村八分にした。その間もロンドンは無頓着に、その時々の風に乗って世を渡ってきた。