(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年4月20日付)

マクロン氏、シリア化学兵器「政権使用の証拠ある」

フランスの首都パリの神学校で司教会議に出席するエマニュエル・マクロン仏大統領(2018年4月9日撮影)。(c)AFP PHOTO / LUDOVIC MARIN〔AFPBB News

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領と戦う労働組合員や学生は、1968年の五月革命の精神なるものを引き合いに出している。フランスがエリートと戦うために再度結集するときが来た、というわけだ。

 巧妙で心を揺さぶる力を持ったたとえを見つけた格好だが、彼らは歴史を読み違えてもいる。半世紀前に街頭に繰り出した若者たちは、未来を変えようとしていた。しかし今日の怒れる人々は、過去にしがみつきたいと思っている。

 歴史家のリチャード・ビネン氏が著作『The Long ‘68(長かった1968年、邦訳未刊)』に記しているように、あの年の夏は、時空を超える地震の震源地だった。その揺れは、戦後の息苦しい権威主義への反発が盛り上がる中で感じられた。

 女性は権利を要求し、若者はロックンロールを求めた。ショックはその後も続き、リチャード・ニクソンがホワイトハウスを離れても収まらなかった。

 数百万の学生や労働者がバリケードを築いたフランスは、革命の舞台になった。アングロサクソンの世界で「ダニー・ザ・レッド(赤毛のダニエル)」として知られるダニエル・コーン・ベンディット氏は、欧州の怒れる世代の代弁者になった。

 シャルル・ドゴールの大統領時代が持ち直すことはなかった。フランスの政治家たちはこのとき以降、小さな改革を計画する度に、街頭のムードをうかがわなければならないと思うようになった。

 当時の運動には、生まれたばかりで混沌とした部分があった。米国では、公民権運動がベトナム戦争反対の大衆運動と合流した。

 ドイツでは、ナチズムの恐怖政治にかかわったことのない新興の世代のものだった抵抗運動が、極左テロの赤軍派に混じっていった。