友だちを最低3人作る

――男性は女性よりも社会的に孤立しやすい?

長尾和宏著『男の孤独死』(ブックマン社)

長尾和宏氏(以下、敬称略) カフェやファミリーレストランに入って全体を見渡しても、一人でいるのはどちらかというと男性ばかりで、女性は友人や家族と一緒にいることが多いのではないでしょうか。幼少時から、女性は誰かと一緒に行動することを好みます。女性の場合、他者と共感することで幸福感や安心感を覚え、一人になることで不安や恐怖に陥るのです。

 一方、男性は、人と群れることを嫌い、一人で行動をすることを好みます。女性は悩みごとやストレスを人に話すことで解決したり解消したりしますが、男性は悩みごとがあっても、人に相談することはなく、一人で抱え込むことが多いようです。

 もちろん、人と交流していなくても、読書や映画鑑賞、釣りなど、一人の時間を楽しむことは、決して悪いことでありません。生まれてくるときも死ぬときも、人は皆一人なのだから、孤独をそんなに恐れることはないというのは同感です。

 けれども、男性は「用事がなければ連絡しない」と言う人が多いと思うので、定年で仕事を辞めた途端、誰からもぱったりと連絡がなくなったというのはよくある話です。定年退職後、「現役中、仕事ばかりせずに、友人らと交流を持てばよかった」「会社以外に居場所を見つけておくべきだった」と後悔している人も少なくありません。

 特に一人暮らしの人は、会社を辞めると、引きこもりになりがちになり、体調不良も気付かれないため、孤独死のリスクが高まります。用事がなくても、時々連絡を取り合える人を最低3人は確保しておくことをお勧めいたします。

――友人がいない場合は?