(英エコノミスト誌 2018年4月14日号)

法の支配が大きな危機に見舞われている。

 古いことわざには、「権力は腐敗する」とある。しかし、ドナルド・トランプ大統領の政権はその反対の事例だ。

 世界最古の民主主義国の一角が、かけ値なしのならず者を最高権力者に選んだという、いまだに度肝を抜くような現実をこの政権は反映しているからだ。

 トランプ氏は大統領就任にあたって、下心を隠そうともしなかった。

 自分の一族の事業を経営するのと同じように米国を運営すると明言したが、論理的に考えれば、それは縁者びいき、専制的な政治姿勢、大統領個人の利益は重視するがルールにはほとんど注意を払わない態度などを意味していた。

 実際、大統領はその通りの行動を取っている。

 まず、縁者びいきを禁止する法律を曲げて、自分の娘と娘婿をホワイトハウスのスタッフに登用した(この建物に最初に住んだジョン・アダムズ第2代大統領は「小さな善をなす」ことしか望まなかった)。

 また、トランプ氏は自分の事業の持ち分を手放しておらず、自分の財産の状況も秘密にしたままだ。

 大統領としての時間の3分の1は、自分の商業用不動産で過ごしている。