言い換えると、「『積極性・行動力』と『自分のアタマで考える、批判的思考力』を兼ね備えている人が組織の大義にコミットした時、効果的なフォロワーになる」ということです。

「積極性」があるものの「批判的思考力」を欠いている人は、なんでも無批判に受け入れるイエスマンです。命令されたことをこなしたら、それ以上のことはやろうとしません。一方、「批判的思考力」があるだけで「積極性」がない人はシニカルな存在となりがちです。リーダーに提言することも、もちろんありません。

 そして、フォロワーとしての最も重要な特性は、自分を超える何らかの大義、もしくは人へのコミットメントです。良いフォロワーは良いリーダーになると言われています。これは、自分を超えた目的やコンセプトの実現にコミットするという点で、両者の根っこは同じだからです。

「リーダーシップを示したいからリーダーになる」というような、リーダーになることが自己目的化した行動様式を若いうちから推奨していると、自分の権力維持が自己目的化した悪いリーダーを生むことになりかねません。

 だからこそ、「良いリーダーとは何か?」ということを考え続けることが重要なのです。

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