同じサーベイによると、ビジネス経験があまりないMBA新卒(25~26才)を企業が採用する際には、「チームワーク」「クリティカルシンキング」「プロフェッショナリズム」「コミュニケーション」の4つの項目が採用面接で重視されるという結果となっています。

 つまり、企業が面接で採用したいのは、命令を一旦批判的に思考・咀嚼してからコミットして責任感を持って達成する人、「すべて自分がリーダーとしてやりました」と声高にアピールするのではなく他人の貢献を正当に伝える人、なのです。

 こう考えると、米国大学のリーダーシップ重視は、ビジネス界の要請に応えようと、ある種、過剰適応していると言えるのかも知れません。

良いリーダーと良いフォロワーの根っこは同じ

 リーダーは賞賛を受け注目される存在です。しかし実際は、フォロワーがいないとリーダーは何もできません。そして、組織の中でほとんどの人はフォロワーとして暮らしています。フォロワーの活動が人生の大部分を占めているのです。

 それにもかかわらず、企業ではリーダーシップばかりに目が向いています。私たちはフォロワーシップの重要性についてもっと考察する必要があります。

 ハーバード・ビジネス・スクールのロバート・ケリー教授は「In Praise of Followers」(フォロワーを称賛する)という論文の中で、こう書いています。「効果的なフォロワーとそうでないフォロワーを分けるものは、積極的で、知的かつ自分の判断による、組織の大義への『参加』である」