(英エコノミスト誌 2018年4月7日号)

ロンドンの殺人数、現代史上初めてNY上回る 刺殺急増

ロンドンの殺人数、現代史上初めてNY上回る 刺殺急増。写真は英ロンドンのウェンブリー・スタジアム周辺をパトロールする警察官ら(2018年2月10日撮影、)。(c)AFP PHOTO / IKIMAGES / Ian KINGTON〔AFPBB News

途上国の一部の都市で殺人が急増する見通しだ。

 地球はこのところ、まれに見る平和な日々を送っている。コンゴやシリア、イエメンなどではひどい戦闘が続いているとはいえ、国家間の戦争や内戦は以前に比べれば少なくなり、死者の数も減りつつある。

 しかし、絶望的な脅威が忍び寄っている。発展途上国では、一部の都市が殺人事件の渦に巻き込まれる恐れがあるのだ。

 2016年に非業の死を遂げた人は世界全体で56万人にのぼり、その68%は殺人によるものだった。

 戦争で命を落とした人は18%にすぎない。豊かな国々では、殺人事件は長らく減少傾向にある(ただし、ロンドンはその急増に悩まされている)が、中南米は以前から件数が多く、アフリカ南部、中東、およびアジアの一部では増加し始めている。

 この世界では、戦争を止めるためにあらゆる手が尽くされることが多い。では、殺人を止めるためにも同じくらい力を入れたら、どんなことになるだろうか。

 何が危機にさらされているかは、中南米を見れば分かる。

 この地域は世界全体の8%に当たる人口を擁するが、記録のある殺人事件の件数に占めるシェアは38%にのぼる。

 警察や病院にかかるコスト、失われてしまった犠牲者の所得などを足し合わせれば、暴力犯罪がもたらす費用は国内総生産(GDP)の3.5%に相当する。