夫婦で仕事も子育てもうまくこなす秘訣とは。

 昨今では「男女共同参画社会」や「働き方改革」といったキーワードで、さまざまな企業や職種での働き方の改善が見られるようになってきた。時短勤務や在宅勤務などの制度が整備され、職場の上司やチームの理解が進むなど、ほんの5年前と比べても、働きやすい世の中になっているのではないだろうか。また、そういった環境の実現に向けて、話し合いの場やインプットの場も多く設けられるようになった。

 筆者は、女性研究者・女子学生の交流を促進する場として、情報系の学会の昼食時間を利用してイベントを開催している。これまで「子育てとの両立」「海外留学」「企業」など、毎回さまざまなテーマを設けて女性にトークしてもらい、女子学生や女性エンジニア・研究者が聞くといったスタイルで開催してきた。

 6年目となる今年は「イクメンの時間割」と題して、2018年3月6日(火)の昼食時に、男性ゲストを招いてトークしてもらった。女性も男性と対等に仕事をすることが当たり前になった今、男性の立場での、働き方と家庭・育児との両立についての話が、女性の働き方を考えるきっかけになるだろうと考え企画した。今回はその時の様子をお伝えする。

「インタラクション2018併設 Women’s Luncheon -イクメンの時間割-」
http://tinyurl.com/i2018womens

 トークしてくれたのは、明治大学総合数理学部の福地健太郎教授と、京都産業大学情報理工学部の平井重行准教授。

 2人の家族に共通するのは、夫婦共働きであり、かつ両親(子どもにとっては祖父母)には頼っていない、または頼れない状況である、ということ。そのような中で、夫婦で仕事も子育ても両立していくために2人はどんな工夫をしているのだろうか。

忙しい時期がくると負担が偏ってしまう

「基本的にはワンオペ(1人)で子どもの面倒を見られます!」という福地氏は、普段の明確な役割分担はほぼしていないという。

 固定した役割としては、朝夕食の準備と洗濯、保育園の送り迎えは時短勤務である妻の担当。ただ、これらも必要とあればすぐにでもバトンタッチできる体制が整っており、そのほかの家事・育児については、「気がついたらやる」という方針で日ごろ回っているとのこと。