役所や大企業では直属のボスは人事異動でどこからかやってくるので、自分で選んだボスではありません。また、一昔前は転職機会も限られていたので、1つの組織で一生を終える閉じ込められた状況で、生きるための知恵としてサボタージュも「あり」だったかもしれません。しかしキャリアの選択肢の多い今の時代、そんなことをしていると人生の貴重な時間を無駄に過ごすだけになってしまいます。ボスをボスとして認めないことは、実は時間を無駄にしていることに等しいのです。

 外資系企業と日本企業の両方を経験した私の目から見ると、日本企業ではトップの方針がなかなか組織の末端まで浸透しない。一見従順なように見えても、内心では全然納得しておらず、表面的に受容しているだけだからです。言い方を変えると、多くの人は「服従者」にとどまっており、「参加者」に進化していない、ということになります。

 服従者とは、「今の自分は自分自身で選択した結果」という意識が希薄な人たちです。新しいボス、新しい会社の方針に自分は強制されていると感じます。しかし問題意識が全くないわけではないので、結果、消極的に抵抗する不服従ということになります。

服従者と参加者の意識の違い

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 一方、参加者(=フォロワー)とは、自分の主体的な選択を重視する人たちです。「今、ここにいるのは自分の選択の結果だ」という意識が強くなると、単に命令に従うのではなく、命令について批判・検証をしたうえで、積極的に支持し、行動する、というプロセスを踏むことがデフォルトになります。