(英エコノミスト誌 2018年3月24日号)

民族衝突で隣国に避難、前年はるかに上回る コンゴ民主共和国

コンゴ民主共和国のアルバート湖畔を歩く国内避難民の女性(2018年3月5日撮影)(c)AFP PHOTO / JOHN WESSELS〔AFPBB News

ニッケルで代替できる可能性もあるが、電気自動車の電池が発火しないことが条件になる。

 コバルトという元素の名前は、ドイツの伝説に登場するいたずら好きな精霊「コボルト」に由来する。

 コバルト鉱石は中世にも掘り出されていた。しかし、価値があるように見えても実は役に立たず、毒が含まれていることもあったため、地中に棲むコボルトが悪さをしたのだと鉱夫たちは毒づいていたらしい。

 そのように何世紀も人々を悩ませていたコバルトが、またしてもトラブルを起こす気配を漂わせている。

 今度は、1台当たり約10キロのコバルトが使用される、成長中の電気自動車(EV)向け電池市場で、だ。ただし、いたずらの源泉はもはやドイツではなく、中国にある。

 世界のコバルトの埋蔵量と生産量の半分以上が、危険なほど不安定な国家・コンゴ民主共和国に集中していることはよく知られている。

 それほど知られていないのは、リチウムイオン電池のカソード(正極)という重要な部品の製造で使われる硫酸コバルトと酸化コバルトの8割が中国で精製されていることだ。

 残る2割の大部分はフィンランドで精製されているが、その原料はやはりコンゴの鉱山、それも中国企業の洛陽欒川鉬業集団=チャイナ・モリブデン=が過半の権益を有する鉱山から運ばれてくる。