しかし、シードがこうした立派な施設・運営内容(詳細は後述)を地域に提供していることが母親たちの話題になり評判になれば、それは同社に間違いなくプラスとなる。働く女性の支援は日本という国の大きな課題でもあるからだ。

 実は鴻巣市は待機児童がゼロ。つまり、子供を保育所に預けようと思えば預けられる。

待機児童ゼロは改革の入り口

 しかし、「子供を預けられるのと預けたいのは別です」と、「ふくろうの森」の企画に関わった経営企画部の金澤寛子係長は言う。

 「いくら保育施設に空きがあるからといってクルマで遠くまで預けに行きたくないし、子供の安全・安心も母親としては大いに気になる。待機児童ゼロでこの問題は解決しないのです」

 つまり、待機児童ゼロは問題解決の入り口でしかなく、複数の選択肢から自分にあった保育所を選べるかが大切になる。保育所同士が健全な競争を行い、施設や運営面で切磋琢磨していくことが理想だ。

 「ふくろうの森」は、そうした先の先を見据えた施設でもある。そのため、これまでの保育施設にはないようなものがいくつもある。

 この施設の運営を任された九州や東京で保育所を運営する社会福祉法人おひさま会の吉岡伸太郎専務理事は「認可保育園、企業主導型の保育園、学童保育が一体となったこのような保育所はほかに見たことがありません。企業の強いバックアップがなければ実現できません」と話す。

 それでは「ふくろうの森」の詳細を見ていこう。