育児にも息抜きが必要

 そして、「お母さん自身が息抜きすること」を重視してください。頑張り屋のお母さんは、「育児休暇でずっと家にいるのに、家事もできない。そんな私が遊びにいってよいはずがない」と自分を追い詰めることがあります。違います。睡眠不足なんだから家事ができなくて当たり前。

 そして何よりも、人間は息抜きを必須とする生き物です。もしお母さんが息抜きを拒否すれば、育児を笑顔で迎えることができなくなります。育児を(なるべくでよいのです、人間なんだから怒ったり泣いたりして結構!)笑顔で実施できるようにするためにも、意識的に「息抜き」を導入する必要があります。人間なのだから、自分を人間として扱ってください。

 息抜きは、パートナーである男性ときちんと相談できている必要があります。男性は、自分の奥さんに息抜きが不足していると感じたら、「無理しちゃいけないよ、息抜きしておいでよ」と伝えることが必要です。パートナーから言ってもらえたら、ずいぶん気が楽になりますから。

 ただし、息抜きについてはできれば、出産前に相談を済ましておくことを強くおすすめします。すでに大変な状態に突入してから「息抜きしたらいいよ」と言っても、女性は「きちんと家事をこなせていない自分が息抜きなんかしてよいはずがない」と自分で責めずにいられないような気持ちになるようです。

 それくらいに、母親は自分で自分を追い詰めてしまうことがあるということを事前に知っておき、心構えを持っていると、結果はずいぶん違ってきます。

 私たち夫婦の場合、年を取ってから結婚し、育児することになったので、あらかじめ友人から育児の大変さについて聞いて心準備し、備えていたことが功を奏しました。また、自分達がトシなので、もう無理が利かないというのも、逆説的ですが助けになりました。無理をするのを最初から諦めていましたから。

 そんな私たちでも、嫁さんを追い詰め、泣かせてしまったことがありました。
それについては下記の記事で詳しく書いたことがありますが、女性は本当に頑張り屋さんが多く、もうこれ以上頑張れないところまで自分を追い詰めているのに、さらに頑張ろうとしてしまいます。

(参考)「失われた20年の本当の原因は『頑張りすぎた』から」

 でも私たちは「人間」なんです。睡眠もとらなきゃいけないし、休憩もしなきゃいけないし、息抜きも気晴らしもなければ、笑顔を失ってしまう生き物なんです。笑顔で育児をするには、人間としての弱さを受け入れ、自分に優しくすることが大切です。そのためにも、夫婦でよくよく話し合ってください。