先端映像技術を取り入れるオリンピック

4年に一度のウィンタースポーツの祭典、冬季オリンピック・パラリンピック。韓国・平昌で行なわれた今大会では、オリンピックで日本史上最多となるメダル獲得に沸いたのは記憶に新しい。

そんなスポーツの祭典では、現場の臨場感を伝えようと様々な先端映像技術が取り入れられるが、今大会で注目すべきはなんといっても"VR”の活用だろう。

オリンピックでのVRといえば、オリンピック放送機構(OBS)は2016年のリオデジャネイロ大会の際に史上初のVRコンテンツ制作を試験的に実施している。今大会ではホスト映像としてVRライブ配信も行なう初めての取り組みとなった。

NBCスポーツのほか、ユーロスポーツやNHKといったパートナーにVRコンテンツを提供。日本では「NHK VR」内でコンテンツを視聴できる。今回、OBSはインテルとともにVRコンテンツを制作した。インテルの「True VR」という多数のレンズを備えた専用カメラを用いて撮影。開会式・閉会式、アルペンスキー、スノーボード、フィギュアスケートなどの主要種目のライブ配信を行なった。

インテルは2024年までオリンピックの最高位スポンサーとなっており、今後の大会でもVRの活用が期待される。

どこでも、どこからでも見られる

平昌オリンピック・パラリンピックのように、近年ではテクノロジーが融合することによって新しいスポーツ観戦のスタイルが生み出され始めている。その動きは日本でも始まっている。

過去にIoT Todayでも報じたように、キヤノンは「自由視点映像」に取り組んでいる。自由視点映像とは、スポーツのプレイフィールドを取り囲むように配置した複数のカメラを同期して撮影し、そこから高精度の3D空間データを構築したもの。視聴者はその3D空間内で仮想カメラを動かすことで、フィールド内を自由に飛び回ったり、選手と同じ目線に立ったりといった様々な視点から好みの角度で映像を見られるようになる。これによって、あたかも視聴者はその場にいるかのような疑似体験ができるというものだ。

映像事例:Jリーグ公式戦(2016年11月3日:川崎フロンターレ対ガンバ大阪 神奈川県・等々力陸上競技場)

Free Viewpoint Video (CanonOfficial)