女性活躍推進は、男性の働く意欲にもつながる

 女性が長く働くことのできる「職場環境」には何が必要なのだろうか。子育て中の女性の「仕事と家庭の両立」に求められる支援とは?

 トーマツ イノベーションとの共同調査研究プロジェクト「女性の働くを科学する」を進めてきた東京大学の中原淳教授は、「女性個人の力だけに頼る女性活躍推進は不可能」とし、中堅中小企業の7500人を対象にした調査結果から女性が長く働ける職場環境の条件を3つを挙げる。

・機会を男性と同様に与えてくれる職場
・助け合いのある職場
・残業を見直す雰囲気のある職場

 また、仕事と家庭を両立して成果も出しているワーキングマザーと、成果を出していないワーキングマザーの違いは、職場で「目標を共に達成しよう」という雰囲気があるかどうかであるという結果も出ている。

「ワーキングマザーに対しては、支援するだけでなく、ワーキングマザーに成果をきっちり求めることも重要です。同時に女性の働きやすさは、男性の“働き続けたい”気持ちにも影響することが分かっています」(中原氏)

女性の「働く」を科学する おさらい+サプリメント(中原淳氏)より

 女性の活躍の推進は男性の働く意欲にもつながることが、調査結果から見えてきた。

東京大学 准教授/NPO法人Educe Technologies副代表理事の中原淳氏