このとき、「とても今の自分たちにはできそうにない」などといった「現実」は一旦棚上げしてください。「現実」を考えはじめると、それらが足かせとなり、大胆な発想はできなくなってしまいます。

「どうなっていたいのか=結果」を純粋に追求することです。「現実」にはやがて向き合うことになりますが、まずはこの段階では理想を求めることが大切です。

ビジネスモデルと実現のシナリオを描く

 次に、この「あるべき姿」を実現するためのビジネスモデルやそこに至るシナリオを、最新テクノロジーを活かして大胆な発想で考えてゆくといいでしょう。例えば、

・これまではコストがかかりすぎてとても考えられなかった 
・高度な熟練が必要で人間にしかできなかった 
・業務の連携や人のつながりが簡単には作れなかった など

 かつての非常識は、今では常識になっていることも少なくありません。「そんなことはできるはずはない」といった思い込みをしないで、テクノロジーのトレンドやデジタルビジネスの事例を丁寧に調べ、新しい常識で可能性を探ることです。

 例えば、商品を買ってくれたお客様がどのような使い方をしているのかを知るためには、かつては登録されている顧客情報を頼りにアンケートをお願いするか、調査会社に調査を依頼するしか方法がありませんでした。そのため、そういう調査に協力的な一部のサンプルからしかデータを集めることができず、不完全なデータから推測することしかできませんでした。

 しかし、センサーや通信装置が小型・高性能化して単価も劇的に安くなったこと、さらには誰もがスマートフォンを持ち歩くようになったことで、状況は一変しました。

 商品に予めセンサーや通信機能を組み込んでおき、スマートフォンと連携して商品の付加価値を高めるサービスを提供します。そのサービスは使いたい、あるいは使わないと損だと思わせるような、魅力的なものでなくてはなりません。そうしておけば、お客様の利用状況がリアルタイムで、しかも完全に把握することができます。

 また、何らかのオンラインサービスを提供するに当たり、利用者一人ひとりの使い方や趣味嗜好を捉え、それに合わせてメニューを変えてサービスの魅力を高めたい、あるいは、適切なオプションサービスを提案して収益を増やしたいとしましょう。そのためには、高度な分析機能やその結果の解釈、それに基づく推奨機能などを組み込む必要があります。