食習慣の改善で血管リスクの連鎖を食い止めるには

日本人の95%が知らない? トリプルリスクが起こるメカニズム

2018.03.31(Sat) 山岸 裕一
筆者プロフィール&コラム概要

食習慣2大NGは「早食い」「炭水化物の合わせ食べ」

 これらのトリプルリスクの兆しがある場合、どのように改善をしたらいいのだろうか。

 「例えば甘いものが好き、アルコールが好きなど、ご自身の食事の傾向と太った原因をまずは知り、考えることです。そのためには、日頃何を多く食べているのか、メモに書き出してみてください。自分では自覚していないことに気が付くこともありますから」

 次に重要なのが、「長続きをさせることを意識すること」だという。

 「ただ単にカロリーや糖質を制限しようという意識だけで節制を始めると、無理をして行ったことはいずれ続かなくなり、元に戻ってしまいます。また、突然自炊を始めよう、と思っても、今まで自炊をしていたわけでなければ習慣として続きにくいですよね」

 そうした状況で持続可能な取り組みとしていちばんオススメなのが、まずは「早食いをやめること」だという。忙しさにかまけて丼ぶりご飯やインスタントの食事を短時間でかきこみ、終えてしまうことが多い傾向にある男性には、耳が痛いのではないだろうか。

 「人が満腹感を感じる満腹中枢が満たされるまでには、約20分間かかります。しかし5分程で早食いをして食事を終えてしまうと、空腹感が残っているのでまた食べてしまう、または最初からボリュームのある食事が当たり前になってしまう。

 そこで、ゆっくりとよく噛んで食べることを心がけ、意識することから始めてみてはいかがでしょうか。それによって、徐々に食べる量の全体を減らすことを目指すのです」

 また、ラーメンとライスを同時に食べるような、いわゆる炭水化物に炭水化物を合わせるという食事も減らしたほうがいいという。

昼食はラーメンとライスのセットを早食いで食べてしまうのはNG(写真はイメージ)

 「野菜や肉は比較的値段が高いので、ファーストフードやコンビニのお弁当などは、ライスの割合を増やして満腹感を与えようと量が多めの傾向にあります。普段から意識して、食べる量全体をバランスよく減らしましょう」

毒と薬を摂ると、毒が勝つのが健康の常

 トリプルリスクの恐ろしさは、1つの悪材料は氷山の一角に過ぎないという点にある。まだ潜んでいるリスクの予備軍が、表に出てきてからでは遅い。それに対処するためには、1つだけではなく、全ての要因を同時にケアする必要があるのだ。

 例えば健康にいいからと、タンパク質をしっかり摂ろうとする食生活は基本的に問題にはならない(ただし腎臓が悪い人は、さらに悪化させてしまうので注意が必要だが)。しかしそもそも、肉を食べれば自ずと脂分も摂りすぎてしまうことになるので、タンパク質だけを摂るということは難しい。

 また、意識の問題もある。納豆は基本的に身体にいいとされているが、納豆を毎日食べているから安心、と思うのは早計だ。いいものを食べているからと、塩分の摂り過ぎなど他の悪い習慣を改めないことへの免罪符になってしまう人がいるという。

 「毒と薬を摂ると、毒が勝つのが健康の常です。例えば運動をしていると食生活を改めないことへの免罪符になりがち。また発酵食品を増やすなら、その分ほかの何かを減らしましょう。食事全体の量をバランスよくまんべんなく減らすことが、トリプルリスクを軽減させるには肝心です」

 生活習慣の乱れから起こるトリプルリスク。「健康診断の結果は気にしている」「運動も欠かさず行なっている」だけでは不十分だということも分かった。まずは食事の傾向を意識し、ゆっくり噛んで食事をすることを取り入れるなど、積み重ねの習慣を見直すことから始めてみてはいかがだろうか。

※ 現代人の健康と食生活に関する調査 - トリプルリスクを考える会より

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フリーランスのWeb編集・ディレクター/インタビューライター/挿し絵まんが家。広告やWebディレクター、シナリオライター志望、編集者を経て現職。ビジネスや旅、食がテーマ。 


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