食習慣の改善で血管リスクの連鎖を食い止めるには

日本人の95%が知らない? トリプルリスクが起こるメカニズム

2018.03.31(Sat) 山岸 裕一
筆者プロフィール&コラム概要

 食べ過ぎは、食事の入り口の段階と食べたあとの体内のどちらにも、リスクが増える要因になるというわけだ。しかし日本人の場合、30代から60代の男女のうち95%もの人がトリプルリスクの事実を知らないという調査結果もある(※)。

 30代も半ばを過ぎるとムリが効かなくなり、身体へのメンテナンスにはより一層気を使う必要が出てくる。しかし現実は、外食続きや遅い時間の夕食などの不摂生を続け、気持ちだけは20代のままで健康の優先度を下げがちだ。

 岡部氏曰く「メタボ予備軍になる人は40代から特に増えてきます。だからこそは30代からのケアが必要で、50代では相当の注意が必要」だという。

20歳の体重から5kg増えたら要注意

 ではどう食生活に気をつければいいのか。これについては「個人差があるため一概には言えないが」と前置きした上で、「ビジネスパーソンによく見られるのが、飲み会のあとに締めのラーメンを食べてしまう、丼ぶり飯の比率が多くたくさん食べてしまう、間食してしまうことなどが挙げられます」と続ける。

結果の異常は、2つ3つの要因が重なった方が重度の疾患を引き起こすリスクが高まる

 もちろんこれらのことは自覚していることも多く、そこで健康診断の結果を頼るわけだが、健康診断の数値にも、落とし穴がある。

 「健康診断を行う際は、前日にお酒を飲まない、診断の当日は食事をしないなど、いわば“万全の状態”で臨んでいます。ところがそれは日常生活から比べればごく稀の状態で、隠れ高血圧や隠れ高血中脂質が見逃されてしまう。数値には現れない部分が出てくる恐れがあるのです」

 例えば「早朝高血圧」といって、就寝時には通常、血圧が下がっていくが、逆に上がってしまう症状の人がいる。しかし自覚症状はほとんど出ないため、健康診断では見逃されがちだという。

 つまり、異常値が出た部分に気遣うのは当然として、検診の結果を過信しないことが重要。親兄弟や親戚に糖尿病や高血圧の人がいる場合は、たとえ今は正常値だとしても、やがてリスクになる恐れがあるとみて注意しておく必要があるそうだ。

 また、かくれ肥満かどうかについては正確には腹部のCTスキャン検査を受ける必要があるが、日頃から受け続けるのは難しい。そこで、目安として「自分の歴史を時系列で見る方法がある」と岡部氏は提案する。

 人間の身体は20歳くらいまでにほぼでき上がっている。当時の体重と比べて、「5kg増えていれば要注意、10kg増えていればかなり注意が必要、との目安にはなります」。また、体重が大きく増えていなくても、ウエストのサイズが身長の半分以上になったら要注意だという。

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フリーランスのWeb編集・ディレクター/インタビューライター/挿し絵まんが家。広告やWebディレクター、シナリオライター志望、編集者を経て現職。ビジネスや旅、食がテーマ。 


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