糖質制限だけでは改善できないメタボの健康リスク

高血圧、高血糖、高血中脂質の3つが連鎖するトリプルリスクとは

2018.03.20(Tue) 山岸 裕一
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 そのため、「腹囲が基準値よりオーバーしていなければ問題がない」と思われがちな見た目の肥満度だけでなく、加えて高血圧、高血糖、高血中脂質と3つの数値をトリプルで注視する必要がある。そのためには当然、食事や運動に対しても意識を向けることが重要になってくるというわけだ。

 国によるメタボリックシンドロームの啓発も虚しく、生活習慣病患者の数は年々増加の一途を辿っている。そうした最近の動向もあって、トリプルリスクを啓発し、ケアを推進するために「トリプルリスクを考える会」という第三者組織が発足された。

忘れられつつあるメタボの健康リスク

健康診断の数値が低くても潜むリスクについて語る岡部 正医師

「生活習慣病のケアには1つだけでは不十分」というトリプルリスクの知見はまだまだ市民権を得ていない。それらの効果的なケアの方法を広めるために、2018年2月27日都内某所で、トリプルリスクを考える会のキックオフイベントが開催された。

 テレビで初めて隠れ肥満を提唱し、メタボリックシンドロームを取り上げて警鐘を鳴らした医学博士の岡部正医師を始め、管理栄養士で料理研究家の岩崎啓子氏らが招かれ、講演会が行われた。

 その中で、岡部医師は「トリプルリスクの根っこは同じなので、1つの因子が他の因子にも影響する可能性をまずは知ることが大切。生活習慣病の改善には、血圧と血糖と血中脂肪、そしてそれらに直接影響を及ぼしやすい塩分と糖分と脂肪分、これらを同時にトリプルケアすることが重要だ」と、トリプルリスクを認識し、ケアをする必要性を強調する。

 さらに「健康診断の結果で1つの数値は気にしているが、3つの数値を同時にケアしている方は全体のたった1割ほど。また、健康診断の結果にはいい数字が出やすいので注意が必要」と、結果を鵜呑みにせず、悪かった数値以外もケアすることの重要性を話した。

血管のトリプルリスクイメージ図。血圧・血糖・血中脂質のいずれかが高いと、 1つだけでなく3つとも悪くなる可能性が(トリプルリスク啓発 キックオフイベントより)

塩分・糖分・脂肪分、3つ同時に気を配る食生活を実現するには

 一方で岩崎氏は、管理栄養士の立場から、食事ケアの具体的な方法を伝授。運動に加え、糖分・塩分・脂肪分の3つを同時にケアする食事の重要性を説いた。

 誰でも手軽に取り組める方法、たとえば調味料を使うタイミングを最後にすることで、塩分を減らした量でも味を出せるという。バラ肉をモモ肉に変えて脂分を減らす工夫、あるいは、品数や風味、食感を増やすことで全体のボリュームを減らすことができ、トリプルケアを実現できることを話した。

 「食生活の改善が上手くできない方のために、人それぞれタイプ別の対処法がある」として、3タイプ別に取り組む具体的なメソッドとおすすめ料理を紹介した。

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フリーランスのWeb編集・ディレクター/インタビューライター/挿し絵まんが家。広告やWebディレクター、シナリオライター志望、編集者を経て現職。ビジネスや旅、食がテーマ。 


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