サウジ汚職取り締まり、被拘束者らへの虐待が横行 米紙報道

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、首都リヤドにて(2017年11月14日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Fayez Nureldine〔AFPBB News

 米WTI原油先物価格は、下押し圧力が強まる中で1バレル=60ドル台をなんとか維持している。

 下押し圧力の最大の要因はシェールオイルの増産攻勢である。3月12日の米エネルギー省の発表によれば、4月のシェールオイルの生産量は、石油掘削装置(リグ)当たりの生産性向上により前月比13万バレル増の695万バレルとなる見込みである。

 シェールオイルは全盛期並みの大増産が行われていることから、米国の原油生産量は現在の日量1037万バレル(1983年の統計開始以来過去最高)から今年(2018年)10月までに日量1100万バレルに達する見通しである。

 OPECをはじめとする主要産油国の協調減産が日量180万バレルであるのに対し、シェールオイルの昨年初めから今年3月までの増産は日量150万バレル以上に達している。現在の増産ペースが続けば今年後半には協調減産の規模を上回ることになる。

続けざるを得ない協調減産

 国際エネルギー機関(IEA)は3月5日、「米国とブラジル、カナダの生産が世界の原油需要の今後3年間の伸びをほぼ満たす」との見方を示し、「OPECやロシアなどの主要産油国は生産計画を大幅に見直す必要がある」と主張した。

 OPECにとっては「悪夢」としか言いようがない予測である。予測が正しいとすると、主要産油国は、最低でも今後2~3年は現在の協調減産の規模を維持し続けなければならなくなる。主要産油国は昨年後半から「今年後半に世界の原油市場の需給がバランスする」との見通しを有していたが、その期待が露と消えてしまったと言っても過言ではない。