食で花粉症対策、「効いてる」と思えば効果あり?

アレルギー性鼻炎に対する食の民間療法(後篇)

2018.03.16(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

効果のほどは患者の症状から判断

――薬でないものを投与されたときにも治療効果が現れる「プラセボ(偽薬)効果」をよく耳にします。花粉症の対策において、この効果をどう捉えたらよいでしょうか?

五十嵐賢(いがらし・さとし)氏。博士(医学)。山梨大学大学院総合研究部医学域臨床医学系耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座助教。山梨大学医員、診療助教を経て、2015年7月より現職。山梨県下の施設に所属する環境アレルギーに関心のある医療関係者・研究者からなる「山梨環境アレルギー研究会」では、「スギ花粉症患者のセルフケアについての質問票調査」などの各種研究調査の取りまとめ役を務める。2014年に「山梨医師会優秀賞」を受賞。

五十嵐 プラセボ効果だけを安易に強調することはできませんが、プラセボ効果も大事な効果と考えてよいのだと私は思います。患者の方が「効いた気がする」という感覚を持つことが大切ですから。それも含めての医療だと私は思っています。

 花粉症の治療に効果があったかどうかは、「日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ)」などの調査票などを使って、「水っぱな」「くしゃみ」「鼻づまり」などについて「0 症状なし」から「4 非常に重い」までの症状の程度を患者に聞いていき、スコアとして表しています。前回の診療より、そのスコアが改善されていれば、花粉症の症状が改善されたのだとしています。

 いま、アレルギー性鼻炎の患者の体からバイオマーカー(生物指標化合物)を得て評価するための研究も進められてはいますが、現状では効果のほどは患者の症状からしか測れません。

――ということは、何らかの花粉症対策をしている患者が「効果が出ている」と感じれば、それは効果があったと診断されることになるのでしょうか?

五十嵐 その通りです。診療時では、患者に試験をして医師の所見をとることもありますが、日常的な診療では患者の感覚が重視されるものです。

 プラセボ効果だけを期待して受診していただくのは間違いだと思いますが、本当の効果かプラセボ効果は別に、患者が治療によって「効いた」と思えば、それでよいのだと思います。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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