中国版世界大学ランキング、今年も上位は米大が独占

米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大学(資料写真)。(c)AFP/Getty Images/Darren McCollester〔AFPBB News

 先週は日本発「準結晶の超伝導転移」の研究成果をご紹介しましたが、今週はさらに最新の物性物理の大きな成果をご紹介しましょう。

 カーボンナノフィルム分子「グラフェン」を「マジックアングル」で重ね合わせたところ、絶縁体―超伝導転移をコントロールできるようになったという最新研究成果(参照=https://www.nature.com/articles/nature26160)です。

 この原稿は3月8日に書きましたが、ペーパー自体3月5日に発表されたばかりのものです。

 米国ワシントンDCで国際会議に出席している東京大学物性研究所の吉田靖雄さんから「こちらでいま話題沸騰」と教えていただいた最先端の話題を取り上げてみたいと思います。

グラフェンとは何か
カーボン・ナノ「シート」

 まず「グラフェン」とは何かから始めましょう。

 鉛筆などの原料である「グラファイト」が黒鉛を意味するのは広く知られた事実と思います。

 「グラフェン」もまたカーボンでできた物質で「カーボンナノチューブ」「フラーレン」などと同様、ナノテクノロジーの花形です。

 高校の化学では「ベンゼン」の構造式を習います。

 いわゆる「亀の子型」の六員環構造をなしており、この構造を思いついたケクレが、夢の中で3匹の蛇が互いの尻尾を噛みあって六角形の亀の子型になる夢を見て・・・といった逸話はよく知られているかと思います。