IoT活用を意識した5G版LPWAの検討も開始

 4Gを利用するLTE版LPWAのサービスが始まったばかりではあるが、セルラーLPWAの未来として、5G(第5世代)の行方も今からおさえておきたい。

 5Gは「IMT-2020」という呼称が示す通り、2020年のサービス開始を目指して3GPPが2014年から検討を進めている。当初策定しようとしたのは4GのMBBを数十倍高速化したもの(eMBB)で、通信速度が10Gbpsオーダー、4K・8Kの高品質映像配信や3次元映像を駆使したVR(仮想現実感)/AR(拡張現実感)コンテンツへの応用が主なターゲットだった。ところが、2015年以降のIoTや自動運転などの急速なニーズの広がりに伴い、要求性能項目が大きく異なる3種類のサービスを規定することに変更された。

 IoT活用の観点から着目したいのは、超高信頼低遅延通信を実現する「URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)」と、膨大な数のセンサーを同時接続する「mMTC(massive Machine Type Communications)」というあとから追加された2つである。

表2 5Gにおける3種類のサービス

 URLLCは、最高性能で1ms(ミリ秒)という超低遅延の通信を掲げるハイエンドの仕様だ。一部自動運転を含むコネクテッドカー、スマート工場、遠隔手術などミッションクリティカルIoTと呼ばれる分野での活用が想定されている。

 逆にmMTCはローエンドの位置づけで、LTE版LPWAのNB-IoTより消費電力や通信速度を低く抑えつつ通信を長距離化する。さらに、1平方キロメートルあたり100万台のセンサーを接続し、物流管理などにおけるIoT活用やスマートシティへの応用が見込まれる。

 3GPPは2018年にURLLCとmMTCの仕様の検討を始め、2020年の規格化を目指している。5G版LPWAの実サービスを利用できるようになるのは、2022年以降とみられる。