(英エコノミスト誌 2018年3月3日号)

トランプ氏、一般教書演説で団結呼び掛け 経済面で成果強調

米首都ワシントンの議会で一般教書演説を行う、ドナルド・トランプ米大統領(中央、2018年1月30日撮影)(c)AFP PHOTO / Nicholas Kamm〔AFPBB News

2018年にドル相場を動かすのが企業の資金還流ではなく政府の借り入れである理由

 ドナルド・トランプ米大統領によると、お金が海外から米国へ流れ込んでいる。

 昨年12月に署名・成立させた税制改革法は、外国子会社に寝かせておいた利益について、米国企業がもはや税金の支払いを繰り延べできないことを意味している。

 税制改革を受け、明るいニュースがいくつか見出しを飾った。

 米アップルは過去に積み上げた2520億ドルの海外収益に関連し、1度限りの税金を380億ドル払うと述べた。推定上は、同社は今後、この現金を米国に持ち帰り始める。「米国の労働者とUSAにとって大勝利だ!」とトランプ氏はツイートした。

 しかし、大規模な利益のリパトリエーション(本国還流)が見込まれるにもかかわらず、米ドルは最近、奇妙にも弱い。

 税制改革法案が議会を通過しそうに見え始めた昨年11月初め以来、ドルは約3%下落している。いったい何が起きているのだろうか。

 リパトリは大抵、本物の資本流入ではないという事実から始めるといい。クレディスイスのゾルタン・ポザール氏の分析では、米国企業は2017年3月時点で、海外子会社に2.2兆ドル前後の利益をため込んでいたことが分かった。

 ほぼ半分は、現地の企業や工場など、流動性の低い投資で、自由に使えないお金だった。残る利益の大半――つまり、「自国に帰ってくる」かもしれない資金――はすでにドル建て資産だった。