乳酸菌が効く? 全否定はできない食べる花粉症対策

アレルギー性鼻炎に対する食の民間療法(前篇)

2018.03.09(Fri) 漆原 次郎
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甜茶はプラセボとの有意差なし

――かつては民間療法として人気があったという甜茶については、治療効果をめぐってどんなことが分かっているのですか?

甜茶。甘い中国茶を総称したもので、一般的に抗アレルギー作用の期待が持たれているのは、バラ科のテンヨウケンコウシ。

五十嵐 千葉大学で診療講師をされている米倉修二先生たちが2011年に『日本耳鼻咽喉科学会会報(Auris Nasus Larynx)』に報告した、イエダニによるアレルギー性鼻炎に対して甜茶の効果をプラセボと比較して調べた試験では、甜茶群の改善以上の割合が31.9パーセントだったのに対し、プラセボ群では23.8パーセント。改善率については両群に有意差は認めなかったとされています。

 先述の山梨大学と山梨環境アレルギー研究会が県内で実施した2017年の実態調査では、患者さん本人に行っている民間療法の効果があるかも聞いたのですが、甜茶に効果があったという率は20パーセントには届きませんでした。

乳酸菌に効果ありというヒト対象の結果も

――ヨーグルトについては、花粉症に効果があるといえるのでしょうか?

五十嵐 いま言った県内での実態調査では、ヨーグルトに効果があるとする率も19.6パーセントにとどまりました。微妙な数値ですね。「効く人には効く」といったところです。ほかの飲食物についても、効果があるとする率はだいたい同じ程度でした。

――となると、民間療法として人気の高いヨーグルトも、さほど期待はしないほうがよいということになるでしょうか?

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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