乳酸菌が効く? 全否定はできない食べる花粉症対策

アレルギー性鼻炎に対する食の民間療法(前篇)

2018.03.09(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要

五十嵐賢氏(以下、敬称略)「鼻アレルギー診療ガイドライン」があり、それに沿って診療が行われます。症状を和らげる治療では、患者さんのくしゃみ、鼻水、鼻づまりの重症度を把握したうえで、抗ヒスタミン薬をはじめとする点鼻薬や点眼薬などを処方します。

 また、2014年から舌下免疫療法も実用化されるようになり、現在の「ガイドライン」にも載っています。こちらは根本治療ではあるのですが、人により効く・効かないがあったり、舌に液体を垂らすのを少なくとも毎日3年は続けるのが大変だったりして、だったら手っ取り早く花粉症シーズンのたびに症状を和らげる治療のほうを選ぶという患者さんもいます。

「ヨーグルト」が突出する民間療法の実施率

――標準的な治療がある一方で、ガイドラインには載っていない「飲食」による民間療法も巷では根強く行われていると聞きます。

五十嵐賢(いがらし・さとし)氏。博士(医学)。山梨大学大学院総合研究部医学域臨床医学系耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座助教。山梨大学医員、診療助教を経て、2015年7月より現職。山梨県下の施設に所属する環境アレルギーに関心のある医療関係者・研究者からなる「山梨環境アレルギー研究会」では、「スギ花粉症患者のセルフケアについての質問票調査」などの各種研究調査の取りまとめ役を務める。2014年に「山梨医師会優秀賞」を受賞。

五十嵐 ええ。かねてから、山梨大学や山梨環境アレルギー研究会は、県内の耳鼻咽喉科外来を受診したスギ花粉症患者に対して実態調査をしてきました。

 2008年や2010年の報告では「甜茶」、つまりバラ科の中国茶を飲むという人が4割前後いて高い率でした。しかし、今年2月に耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会で発表した2017年実施の調査では、7パーセント未満にまで減っています。

 ほかに、ミントガム、スギ花粉飴・グミ、青汁、ハーブ茶、べにふうき茶、シソ、アロエ、プロポリス、ドクダミ茶、霊芝などといった飲食物についても、いずれも7パーセント未満にとどまっています。

 しかし、そうした中で、ヨーグルトだけは35.1パーセントと、飲食物の中では突出して高い率となりました。2010年の報告の時点でも33パーセントと高い率ではありました。

「花粉症に効く」というイメージをもたらすマスメディアの影響もあるでしょうし、手っ取り早く摂れるという簡便さもあるのでしょう。

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1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、医学・医療分野を含む科学技術関連の記事を寄稿。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『日産 驚異の会議』(東洋経済新報社)、『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』(洋泉社)、『模倣品対策の新時代』(発明協会)など。


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