不祥事続出から再建目指す相撲界、3横綱が奉納土俵入り

AFPBB News〕明治神宮で奉納土俵入りに臨む横綱白鵬(2018年1月9日撮影)。(c)AFP/Toshifumi KITAMURA

 明日の(2018年)3月11日に初日を迎える大相撲春場所。場所途中に貴ノ岩への暴行事件が発覚し、責任をとって日馬富士が引退。その裏で明るみに出た、貴乃花親方と現執行部の確執。かつてないスキャンダルに揺れ動いている大相撲ですが、果たしてファンを納得させるような場所になるのでしょうか。

 その騒動の背景を追ったのが『貴の乱』(鵜飼克郎・岡田晃房・別冊宝島特別取材班著、宝島社)。

 本書によると、今回の騒動の元凶は、2016年に相撲協会が解雇した小林慶彦氏に行きつくとのこと。その小林氏にかき乱された協会内部の動きを、理事会議事録の完全掲載や相撲ジャーナリストによるルポルタージュ、さらに相撲評論家によるインタビューなど、様々な角度から検証しています。

別冊宝島ではなくあえて単行本で

貴の乱』(鵜飼克郎・岡田晃房・別冊宝島特別取材班著、宝島社)

 プロレスやプロ野球など、プロスポーツの内情を暴かせたらピカイチの発行元の宝島社。本書も、大相撲の闇の部分を、一部マンガなどでオブラートに包みながら、わかりやすく伝えています。ただしわかりやすさだけなら、いつもの「別冊宝島」のレーベルで出版してもよさそうなもの。そこをあえて四六判のソフトカバー単行本で出版したところに、宝島社が本書に自信を持っている事が感じられます。

 ただしもうひとつ、触れて欲しかったのが、興業という視点からの検証。初場所、春場所、夏場所、名古屋場所、秋場所、九州場所。現在の本場所は2カ月に1回のペースで、年6回行われています。さらにその間にも、地方巡業や、各種トーナメント大会などが開催され、力士は休養する暇がありません。

 立ち会い時は、2トンものダンプカーが突っ込んできたときと同じ衝撃になるという大相撲。果たして、それだけの過密日程のなかで、全てをガチンコ勝負で乗り切れるものでしょうか。そこに、八百長や、利権争いの温床を感じるのは私だけではないはずです。