前回の記事(「企業内イノベーションの実現に向けた7つの提言」)では、DX(デジタルトランスフォーメーション)を目指す組織改革について、以下の提言を行った。

1. 経営陣がアジャイルを理解し、企業文化を醸成すること
2. 既存の情報システム部門と別に、イノベーション部隊を建設すること
3. イノベーション部隊を既存の進捗管理から切り離し、企画と開発を一体化すること
4. 経験のあるアジャイルコーチ、スクラムマスターを招き入れる、もしくは採用すること
6. 技術力のあるエンジニアを招集すること
7. コミュニティへのエンジニア参加を推奨し、外部交流を行うこと

 特に、日本においては戦略的なビジネスにおいても、ソフトウエアを発注する文化があること、さらに、既存部署との関係がネックになることが多い。今回は、これらの活動を進めるにあたって大きな力となる、「アジャイル開発に関して日本で提供されているサービス、コミュニティ」のランドスケープ(プレイヤー)を描いてみた。

 プレイヤーは大きく3つのカテゴリに分けている。

 第1に、コミュニティ/カンファレンス/勉強会を主宰する組織。これらは、企業での実践者を後押しする組織として非営利で活動しており、広く参加者を募っている。

 第2に教育、コーチング、コンサルティングをサービスとして実施する組織。これらは、主に有償でアジャイルの教育および資格ライセンス、さらに開発チームへのコンサルティングやコーチングを提供する。

 第3は、実際の開発エンジニアを提供するサービスを行っている企業である。

 なお、このランドスケープは現時点で筆者の認識している範囲であり、網羅性のあるものではないことをお断りしておく。

アジャイル開発に関する日本のプレイヤーの見取り図
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