アジャイル開発がビジネスを変え、世界を変える

 最後に、ここまでの流れから今後の展望を少しだけ述べてみる。

 DXを成功させるには、組織に新しい考え方や風を吹き込むことが必須であり、現代的な組織づくりのやり方、働き方を採用する必要がある。しかし、ことさらに日本では、ユーザー企業と開発企業の分断というビジネス構造が出来上がってしまっている。

 そうした構造を刷新する組織論的中心が、ソフトウエアから起こった「アジャイル開発」であった。

 このことは、"Software is Eating the World" という世界観からは当然なのだが、歴史的には、当初エンジニアリング活動から始まった「アジャイル」の波が、スタートアップのビジネス、サービスビジネスを巻き込み、さらに、ここにきて大企業内のイノベーションやDXという文脈で再度脚光があたっているのである。

 今後のイノベーションは ソフトウエアの力をどんどん必要としている。今回挙げた活動体やコミュニティの多くは、日本のアジャイルの発祥から関わってきた人々によって成り立っており、ソフトウエアのビジネス貢献へ思いを一つにしている。

 筆者自身も、「ビジネス」と「エンジニア」が一緒に会話をする「場」が多く今後も持たれ、その中から日本を、そして世界を変える競争力を持ったイノベーションが登場することを願い、その未来の中で貢献をしていきたいと強く思っている。

(バックナンバー)
第1回「企画と開発が責任を押し付け合う会社の前途は暗い」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51448
第2回「『開発手法』だったアジャイルはここまで進化した」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51870
第3回「ビジネスに追いつけない日本のシステム開発の構造欠陥」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52025
第4回 「企業内イノベーションの実現に向けた7つの提言」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52264