(英エコノミスト誌 2018年3月3日号)

中国全人代が開幕、習氏の権力基盤強化へ

中国・北京の人民大会堂で行われた全国人民代表大会の開会式(2018年3月5日撮影)。(c)AFP PHOTO / GREG BAKER〔AFPBB News

中国は民主主義と市場経済に向かっていくと読んだ西側諸国の賭けは外れた。

 月最後の週末、中国が専制国家から独裁国家へと歩みを進めた。

 すでに世界最大の権力を手中にしている習近平氏が、自分が続けたいと思う限り――おそらくは終生――国家主席としてこの国を支配できるよう憲法を改正するとの方針を知らしめたのだ。

 これほどの権力をこれほどあからさまに行使する中国の指導者は、あの毛沢東以来だ。これは中国にとって大きな変化であるのみならず、西側諸国が25年にわたって続けた賭けが外れたことを示す有力な証拠でもある。

 ソビエト連邦が崩壊した後、西側世界はソ連に次ぐ規模を誇る共産主義国だった中国を世界経済秩序に迎え入れた。

 世界貿易機関(WTO)をはじめとする機関や制度と利害関係を持たせればよい、そうすれば第2次世界大戦後に確立されたルールに基づくこのシステムに従わせることができるだろう、と西側の指導者たちは考えたのだ。

 同時に、経済の統合は中国に市場経済への移行を促すことになるだろう、そして中国の国民も、豊かになるにつれて民主的な自由、権利、法の支配などを切望するようになるだろうとも期待した。

 これは立派なビジョンであり、本誌エコノミストも同じ見方をしていた。中国を閉め出すことよりも優れたやり方だった。

 その後、この国は誰にも想像できなかったほど豊かになる。胡錦濤国家主席の時代にはまだ、上記の賭けが当たるところを想像することができた。