権力をポジティブにとらえることができる人だけが、主体的に人を巻き込み、インパクトのあることを、多くの人の力を借りて実行に移すことができます。ポジティブに行使する権力は価値のあるものであり、そうした正しい権力行使をすることができるリーダーが、今求められているのです。

 一方、「権力は悪いもの」と距離を置き、自分の選択肢を勝手に狭めてしまうと、大局観を失ってしまい、小さなソリューションスペースの中で、インパクトの小さなことだけにエネルギーを投入してしまうことにもなりかねません。そういう人はわざわざ選択肢を自ら狭く設定したうえで、仕事をしていると言えます。

 狭い選択肢の中で仕事をしている人は、何事もしょせんは他人事と捉えているため、仕事に没頭しているようでも実はうわの空であったりします。社畜予備軍となりやすいのは、こうして自ら選択肢を狭めている人たちです。

自分が権力をどう捉えているか自覚することが第一歩

 このように、権力を否定的に捉えることで自ら選択肢を狭め、言われたことをきちんとやり、書類や記録を固め、手続きを完璧にすることだけに自分の役割を限定してしまう人たちがいます。

 その反対に、未来の社長になれる人とは、権力のポジティブな価値を認めている人です。

 ソリューションスペースを拡大し、言われたことをやる以上のインパクトを出すには、権力行使についての正しい認識と、能動的な行動への志向が必要になります。

 筆者は、権力の捉え方によって生じる行動様式の違いをタイプ分けしてみました。それが下の「マキャベリ脳診断テスト」です。

マキャベリ脳診断テスト(ジョエル・デルーカによるフレームワークを基に筆者作成)
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