(英エコノミスト誌 2018年2月17日号)

米上下両院、22日までのつなぎ予算可決 政府閉鎖ひとまず回避

米連邦議会議事堂。首都ワシントンで。(c)AFP/SAUL LOEB〔AFPBB News

未知の領域に足を踏み入れれば、将来に禍根を残す恐れが生じる。

 「財政赤字なんて問題じゃない」。ディック・チェイニー氏は米国副大統領だった2004年にそう述べた。

 本気だったのかもしれないが、同氏が仕えた政権はこと借り入れに関しては明らかに強い信念などなく、連邦政府の財政赤字が国内総生産(GDP)比で3.4%を超えることはなかった。

 現在の共和党政権はそうではない。2019年と2020年の赤字幅はGDP比で6%近くに達する公算が大きい。経済危機の時期を除けば、これは第2次世界大戦後で最大の値である。

 JPモルガンの分析によれば、ドナルド・トランプ大統領の1期目の財政赤字は、平均すればバラク・オバマ大統領時代のそれに近い規模になる見通しだという。オバマ氏が1929年の大恐慌以来となる深刻な不況に直面したことを考えれば、これは大変なことだ。

 ほかの多くの分野と同様に、米国は予算においても未知の領域に迷い込みつつある。果たしてどんな事態に出くわすことになるのだろうか。

 オーソドックスな経済学によれば、事態は2つの経路で悪化する恐れがある。

 まず、経済が全速力に近いペースで拡大している時には、銀行が応じられる限界まで企業が資金を借り入れて投資を行っているため、政府は民間企業をしのぐ条件を提示しなければ資金を借りることができない。

 もし政府がそこで競り勝って借り入れを行えば、民間企業の活動を押しのけるという意味の「クラウディング・アウト」が生じることになり、経済成長を阻害する。