ハッカーがどこの誰なのか、どうやって宝を持ち出したのかといった情報はまだない。しかし、XEMのブロックチェーンからは詳細な情報がいくつか見い出せる。

 これによるとハッカーは午前0時2分、目の前に宝の山があることが信じられなかったのか、まず10XEM(約10ドル)だけ盗み出し、コインチェックから自分の追跡可能なウォレットに送金した。それから中に押し入り、デジタル金庫をあさり始めた。

 ハッカーはその後の8分間で計5億2000万XEMを、6回に分けて持ち去った。その週の市場価格(1XEM=約1ドル)で評価すれば、これは史上最大級の盗難事件となる。銀行強盗や、美術品を狙う泥棒が引き起こす大事件と同じレベルだ。

 くだんのハッカーは奪ったものの大きさに衝撃を受けたのか、それから2時間ほどは何もしなかった。少なくとも、ブロックチェーンからは何の動きも見受けられない。

 午前3時頃になって、盗んだXEMをほかのデジタルウォレットに送り始めたが、コインチェックのシステムはまだ開いたままだった。

 そこで午前3時35分に150万XEM、同4時33分に100万XEMをそれぞれ新たに盗み出し、同8時26分には残っていた80万XEMにも手をつけた。コインチェックは有り金をすべて持って行かれたのだ。

 金庫は空っぽだったが、コインチェックの管理者がそれに気づくにはさらに時間を要した。

 金曜に出勤してきた社員は、いつも通りに仕事を始めた。しかし午前11時25分、ようやく異常に気がついた。