中国と韓国は仮想通貨そのものを禁止しようとしており、台湾の取引所「ビットフィネックス」とその暗号通貨「テザー」については疑問が積み上がっている。

 そうした中、仮想通貨ブームの将来は、山咲氏がXEMを取り戻せるか否かにかかっているのかもしれない。

 コインチェックの大塚雄介・最高執行責任者(COO)は、暗号通貨ブームを誰にも負けないほど楽しんでいた。実際、1月25日(木曜日)の午後5時、つまり盗難に遭うほんの数時間前に、大塚氏はブームについて豪語していた。

 日本経済新聞のインタビューに答え、「現代版ゴールドラッシュですよ。仮想通貨取引所はすでに1.5強。うちがトップで、ビットフライヤーさんがうちの半分くらい」だと話していたのだ。

 コインチェックは、日本で最もシンプルで使い勝手のよい取引所だという評判を得ており、この国は暗号通貨に首ったけだった。27歳の和田晃一良社長をはじめとする経営陣は、大変なお金持ちになりつつあった。

 1月26日未明。いつもとは違う種類のユーザーが、コインチェックが非常に使い勝手のよい取引所であることに気づいた。ハッカーだ。

 真夜中に2階の窓から忍び込むコソ泥よろしく同社のセキュリティーを破り、XEMという宝が「ホット・ウォレット」、すなわちインターネットに接続されたコンピューターに保管されているのを発見したのだ。

 本来であれば、暗号通貨はネットワークから切り離された「コールド・ウォレット」に保管するのが最も良いやり方だ。