5億2300万XEM(ざっと5億ドルに相当)が盗まれた事件は、同じく東京を本拠地とするマウントゴックスの一件を思い出させる。

 2014年に同様なハッキングを受けた同社はその後破綻した。投資家は損失を被り、1回目のビットコイン・ブームは最悪の結末を迎えた。

 山咲氏のような若手暗号通貨トレーダーの間では、「GOXする」という言葉が取引所の破綻を意味する動詞として使われている。

 しかし、規制を通じた暗号通貨の合法化で世界をリードしてきた日本の政府当局者の間では、金融界のイノベーション(技術革新)がどんなコストをもたらし得るかを思い出させてくれる、恐ろしい言葉として受け止められている。

 米国当局によれば、2009~2015年に世界のビットコイン取引所の3分の1がハッキングの被害に遭っている。

 技術面と法制面における日本政府のアドバイザーたちは、こうした脆弱さについてもっと率直な指摘をしている。コインチェックの大惨事の詳細が明らかになるなか、日本の金融庁は信頼を失う瀬戸際に立たされている。

 コインチェックでの盗難は、暗号通貨そのものがぐらついているタイミングで発生した。ビットコインをはじめとするこれらの通貨は現在、下落基調にあるが、最近までは驚異的な上昇相場を演じていた。

 中には、2017年末までの数カ月で100倍に値上がりしたものもあった。煽ったのは日本の投資家だった。レバレッジをかけて行われることが多い日本の投資家の取引は、世界全体の40%を占めていた。