(英エコノミスト誌 2018年2月3日号)

中国政府、有事に民間船を軍事転用へ 造船会社に新指針

中国・山東省青島の港に停泊中の貨物船(2014年3月7日撮影、資料写真)。(c)AFP〔AFPBB News

最大の貿易相手があっという間に最大の競争相手に変身しつつある。

 韓国が輸出大国に変身したことを理解するには、同国南東部の都市・蔚山(ウルサン)の塩浦(ヨムポ)山の展望台に登るといい。

 北の方角に目をやれば、太和江(テファガン)という川の左岸に現代自動車の巨大な工場があり、真新しい車の一群がまばゆい光を放っている。

 西の方角を眺めれば、同じ川沿いに化学工場が建ち並び、白い煙をゆっくりと吐き出している。

 そして南方と東方を見下ろせば、河口に現代グループの造船所があり、建造中の船体が居並ぶ様子が見えるだろう。

 造船所には巨大なガントリークレーンが1基そびえ立っている。経営不振に陥っていたスウェーデンの造船所、コックムスから2002年にわずか1ドルで購入したクレーンは、「マルメの涙」として知られている。

 ウルサンの人々は最近、自分たちも近々涙を流すことになるのではないかと心配している。かつて韓国の企業が競争の末に欧州の造船会社の大半を破綻させたように、今日では中国が、韓国の造船業にほとんど同じことをしそうになっているからだ。

 世界の造船市場の約90%は韓国と中国、そして日本の3カ国に牛耳られており、10年前にはこの「ビッグスリー」のトップが韓国だった(下の図参照)。しかし今日、韓国の受注残は中国の半分ほどにとどまっている。