(英エコノミスト誌 2018年2月3日号)

「人工知能は世界のために」 人型ロボットが語る未来

スイス・ジュネーブで、人工知能(AI)に関する会議に登場した人型ロボットの「ソフィア」(2017年6月7日撮影)。(c)AFP/Fabrice COFFRINI〔AFPBB News

「ドクター・ユー」の世界へようこそ。

 患者が、辛抱強いという意味もある「ペイシェント」と呼ばれるのは、実にもっともなことだ。

 今日の裕福な国の人々は、医療機関に足を踏み入れればどんなことになるか承知している。

 医師に急かされ、各種の検査を延々と受け続け、わけの分からない専門用語で説明を受ける。医療費は高くなる一方で、何よりもあの待ち時間の長さには閉口する。

 確かに、いくらかの冷静さは常に必要だ。医療は複雑な行為であり、相当な注意が欠かせないからだ。とはいえ、患者のいら立ちは募るばかりだ。

 米国では先日、アマゾン・ドット・コム、バークシャー・ハザウェイ、JPモルガン・チェースというトップクラスの有名企業3社が、自社の従業員に優れた医療を安価に提供する新会社を立ち上げると発表した。

 今日の制度では、患者に知識がないことと、自分の医療をコントロールする仕組みもないことが根本的な問題になっているが、患者が自分のデータにアクセスできるようにすれば、この2つの「ない」を同時に解決できる。

 インターネットのおかげで、患者はすでに、好きなときに好きな場所で、オンラインで診察を受けることができる。自分の血液の分析、遺伝子の解読サービス、消化器内の細菌の検査などを医師の処方箋無しに受けることもできる。

 しかし、抜本的な変革を行うには、重点を置く場所を変える必要がある。サービスの提供者よりも患者を、医師よりもデータを重視する仕組みに変えなければならないのだ。