(英フィナンシャル・タイムズ紙 2018年1月30日付)

「TPPで大筋合意」、カナダ国際貿易相

ベトナム中部ダナンで開かれた環太平洋連携協定(TPP)閣僚会合(2017年11月9日撮影)。(c)AFP/Na Son Nguyen〔AFPBB News

 「ルールに基づくグローバルな秩序」というのは、あくびの出そうなフレーズだが、その意味するところは重大だ。

 少数のならず者国家は別として、この世界ではすべての国々が法や経済、軍事についてあらかじめ合意されたルールに則って対応し合っている。

 これらのルールを無視したり破棄したりすれば、混乱や紛争が始まる。西側以外の地域の一部では長年、このフレーズは米国による世界支配の隠れみのにすぎないと考えられている。

 事実上米国がルールを決めた以上、システム全体が米国に有利になるよう作られているに違いない、というわけだ。

 しかし、ドナルド・トランプ米大統領の見方は違う。国際システムを操っているのは抜け目のない外国人だ、おかげで米国はかなり不利な立場で取引をしており、国際的な裁判所が下した敵対的な判決に従うことを強いられている、と考えている。

 こと安全保障については、米国は恩知らずな同盟国を安い対価で守ることに何十億ドルも費やしていると不満を漏らし、仕組みの変更を求めている。

 「お客様が店内で破損した商品は、お客様の所有物となります」というのは陶磁器店のスローガンだ。だが、「ルールに基づくグローバルな秩序」に関しては、「もう我々の所有物ではないから壊す」というのがトランプ政権の見方のようだ。

 米国は今、自ら作り上げた世界を嫌っている。そこからもたらされる結果は、予測がつかず、危うさをはらんでいる。

 2018年という年は、国際的な通商システムに多面的な攻撃を仕かける路線を、米国がどこまで推し進める気なのかが試される重要な年になるだろう。