原油市場における「ブラックスワン」は何か?

サウジアラビアの減産はいつまで続くのか

2018.02.02(金) 藤 和彦
    http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52232
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 1月21日、オマーンで開かれた主要産油国の閣僚会合後の記者会見でファリハ氏は、協調減産が終了する2019年以降も協力体制を継続する可能性を示唆していた。ところが、その後「ブラックスワン」という言葉がファリハ氏の口から出てくるとは、誰もが予想しなかっただろう。

 今回のコラムではファリハ氏が述べた「ブラックスワン」について考えてみたい。

脅威となるシェールオイル増産

 ブラックスワンとして第1に考えられるのは、「主要産油国の協調減産の足並みが乱れる」ことだ。

 デフォルト危機に陥っているベネズエラの減産などによって、このところ協調減産の遵守率は高まるばかりである。12月のOPECの原油生産量は前月比13万バレル減の日量3236万バレルとなり、遵守率は前月の115%から129%に上昇した。

 その一方で、ファリハ氏が気にしているのは「シェールオイルの増産」である。ダボス会議の会見で「シェールオイルが増産して相場を押し下げるのではないか」との質問に対して、日頃冷静沈着なファリハ氏は「シェールオイルの増産は原油市場に悪影響を及ぼさない」と吐き捨てるようにコメントし、「シェールオイルの話題をするのはこりごりだ」との表情をにじませた(1月25日付OILPRICE)。言葉とは裏腹に、ファリハ氏がシェールオイルの増産を脅威に感じていることは明白である。

 1月26日に発表された米国の石油掘削装置稼働数は前週比12基増の759基となり、シェールオイルの増産傾向が鮮明になってきている。米国の原油生産量は昨年11月47年ぶりに日量1000万バレルを超えたが、そのうち6割以上はシェールオイルである。

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経済産業研究所上席研究員。1960年、愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒。通商産業省(現・経済産業省)入省後、エネルギー・通商・中小企業振興政策など各分野に携わる。2003年に内閣官房に出向(エコノミック・インテリジェンス担当)。2016年から現職。著書に『日露エネルギー同盟』『シェール革命の正体 ロシアの天然ガスが日本を救う』ほか多数。

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