モスクワにイルミネーションの彩り 大統領府や星のトンネルも

ロシアの首都モスクワのショッピングセンター前に登場したロシア大統領府と聖ワシリー聖堂をかたどったイルミネーション(2017年11月24日撮影)。(c)AFP/Mladen ANTONOV〔AFPBB News

 日本貿易振興機構(JETRO)が2017年12月に発表した「2017年度在ロシア日系企業活動実態調査」(注)によると、ロシアで活動する日系企業は、ロシアのマクロ経済の回復に伴い市場の回復を実感している。

 同時に、ロシアでのビジネス展開を進める中で、これまでとは違った新たな課題にも直面しつつある。

 ロシアビジネスの苦労というと通関や許認可手続きというのが一般的だが、今回の調査では少し様子が違っている。経済の現状を横目で見つつ在ロシア日系企業の市場の見方と直面する課題を紐解くと――。

経済は2016年に底打ち、着実に回復

 2015年にマイナス2.8%と大きなマイナスだったロシア経済だが、2016年には早くも底打ちとなった。

 同年の経済成長はマイナス0.2%と2年連続で停滞したが、2016年第4四半期には前年同期比0.2%のプラス成長となり、その勢いは17年に入っても持続している。

 2017年の第1~3四半期の実質GDP成長率(前年同期比)は、それぞれ0.5%、2.5%、1.8%と堅調な回復を見せている。

 ロシア経済発展省は、2017年~19年の経済成長見通しを2%台前半と予測している。IMF(国際通貨基金)、世界銀行などの国際金融機関も、最新時点の経済成長予測で、ロシアの成長率を上方修正している。

 経済回復とともに、ロシア経済けん引する重要な要素である内需、特に消費に明るさが戻っている。