(英エコノミスト誌 2018年1月27日号)

「終末時計」過去最短の残り2分に 核開発やトランプ氏が影響

米首都ワシントンでの記者会見で、「終末時計」の時刻を発表する米誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」の面々(2018年1月25日撮影)。(c)AFP PHOTO / Brendan Smialowski〔AFPBB News

技術と地政学の変化が新たな脅威をもたらしている。

 戦争はこの25年間にあまりにも多くの人命を奪ってきた。しかし、シリアや中央アフリカ、アフガニスタン、イラクで激しい内戦や宗教対立が続いているものの、世界の大国同士が直接衝突するという壊滅的な事態はほとんど想像できなかった。

 今後は違う。

 米国の国防総省は先日、ジハード(聖戦)主義よりも中国とロシアの方が米国にとっての大きな脅威だとする新しい国家防衛戦略を発表した。

 また英国の陸軍参謀総長は先日、ロシアからの攻撃に注意すべきだと述べた。今日でさえ、米国と北朝鮮は、中国を引きずり込んだり、核爆発による破滅にエスカレートしたりするリスクのある紛争に、危険なほど近づいている。

 本誌(エコノミスト)今週号掲載の戦争の未来についての特別リポートでも論じているように、地政学的要因の強力かつ長期的な変化や新しい技術の拡散により、米国とその同盟国が享受してきた圧倒的な軍事的優位は浸食されている。

 第2次世界大戦以降生じていない規模と激しさの紛争が、再び起こり得るようになっている。世界には、それに対する備えができていない。

戦争の悲しさ

 最も差し迫っているのは、朝鮮半島で戦争が始まる危険性だ。ひょっとしたら、今年始まるかもしれない。

 米国のドナルド・トランプ大統領は、北朝鮮を率いる金正恩(キム・ジョンウン)氏には核爆弾を積んだ弾道ミサイルで米国を攻撃する能力を持たせないと断言している。

 最近の実験の様子などからは、もしその能力をすでに獲得していなければ、数カ月以内に手に入れる可能性はあることがうかがえる。