人間にとって音声ほど直感的に機械を操作できるインターフェースはない。米国の市場調査会社、comScore社は「2020年までに検索の50%は音声で行われる」という予測を発表している。

 アマゾンは2014年に米国でスピーカー型の音声アシスタント端末「アマゾン・エコー」を発売し、音声アシスタント端末市場を切り開いた。同社の独自の音声認識技術「アレクサ」を搭載するアマゾン・エコーは、累計で500万台以上が売れたとされる。

 現在、音声アシスタント端末市場では、アマゾンの存在感がひときわ大きい。だが、戦いの火ぶたは切って落とされたばかりである。 <アマゾン・エコーとアレクサがさまざまなサービスや機器と連携して勢力を拡大するのを横目で見ていたグーグルやアップル、マイクロソフトなど他のITベンダーも、同様のデバイスやサービスを2016年末から相次いで市場に投入し、熾烈な競争が始まりつつある> のだ。特に「スマートホーム」「オンラインショッピング」などを舞台に、アマゾンとグーグルの激突が予想される。

 城田氏の「予測」が、その通りになるかどうかは分からない。しかし、本書で描かれる先端テクノロジーの見取り図やIT業界の動向は、新しいテクノロジーやサービスを開発したり、テクノロジーの活用方法を考えたりする際の有効な指針になるはずだ。デジタルトランスフォーメーションに関わる人に、ぜひ一読をお勧めしたい。