進展するセンサー技術、錠剤の中にも

『大予測 次に来るキーテクノロジー2018-2019』は、先端技術の動向をウォッチし続けたきた城田氏が、「次に来るキーテクノロジー」として8つの技術や技術のソリューションを国内外の先行事例とともに紹介した本である。取り上げているのは、「人工知能(AI)」「自動運転」「音声操作インターフェース」「チャットボット」「VR・AR・MR」「バイオメトリクス認証」「IoT」「ブロックチェーン」だ。

 本書には、現在開発が進められているテクノロジー、まだ誕生したばかりだが将来有望なテクノロジーなど、さまざまなテクノロジーが登場する。そうしたテクノロジーが、現在主流となっているテクノロジーとどのように入れ替わっていくのか、私たちの生活やビジネスをどう変えていくのかなどを、城田氏は解説する。

 例えば、現在ビジネス分野でAR(Augumented Reality:拡張現実)の活用が進んでいる。ARは、目の前にある現実世界の環境に、コンピュータで作られた映像や画像を重ね合わせることで、現実世界を拡張する技術だ。アパレル分野では、自分のサイズに合わせてバーチャルに試着できるARアプリケーションが登場している。自動車業界でも、自動運転の進展に伴い、フロントガラスへの「ARヘッドアップディスプレイ」の搭載が当たり前になる可能性がある。

 当面はスマートフォンがARデバイスの主役になるが、城田氏は、<スマートフォンに代わり主役の座に就くと予想されるのが、「グーグルグラス」のような「ARスマートグラス」である>という。

 ARスマートグラスは、AR機能を有するメガネ型デバイスだ。<工場や医療現場などのように両手で作業したい場面でも、手を離すことなく、メガネ上でマニュアルの確認や指示内容の参照ができる> というメリットは大きい。物流倉庫のピッキング作業での利用など、先進的な企業ではすでに実証実験を開始しているという。スマホの需要が減速する中、ARスマートグラスはポスト・スマホの最有力候補とも目される。